このプロジェクトについて
2020年11月、山形県郷土館 文翔館を舞台に「現代山形考─新・郷土史の編み方」と題した成果発表展を開催しました。「郷土史のインプット→アウトプット講座:郷土史研究とアート・デザイン」、「物語を場所に宿す:場所と出会うための空間演出プラン」、「奇想の棚─Cabinet.of.curiosities─」の3つのプログラムによる、学生から社会人まで様々な参加者によって表現された「私たちの場所」の新たな可能性が示されました。
2020年11月、山形県郷土館 文翔館を舞台に「現代山形考─新・郷土史の編み方」と題した成果発表展を開催しました。「郷土史のインプット→アウトプット講座:郷土史研究とアート・デザイン」、「物語を場所に宿す:場所と出会うための空間演出プラン」、「奇想の棚─Cabinet.of.curiosities─」の3つのプログラムによる、学生から社会人まで様々な参加者によって表現された「私たちの場所」の新たな可能性が示されました。
日々目にしていながらも気づかない、地域に眠っている様々な宝物や物語をみつけて調査・研究を行いました。その成果はアウトプット方法に工夫を凝らし、テキストだけでなく、各自が制作したアート作品やデザインした資料をともに「新しい郷土史」として展示。とっつきにくさもある郷土史というものを、柔軟なスタンスで多くの人々と共有することを目指しました。
演劇集団ゲッコーパレード代表の黒田瑞仁氏をお招きし、私たちの住むこの場所の空間と物語を分析し、演劇の世界を立ち上げる舞台演出のテクニックを参照しながら、参加者の頭の中にある土地の思い出や妄想を紐解き、一人ひとりが現代の伝説とも言えるオリジナルの「空間演出プラン」を紡いできました。
建築家の濱定史氏と彫刻家の深井聡一郎氏をお招きし、今日の博物館の前身となった15─18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、様々な珍品を集めた博物陳列室「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」を参照しながら、受講者の家にある自分自身を象徴するものや蒐集物を持参し棚に並べます。それぞれ自身を表した棚を集積することで、新しい郷土史として現代版「奇想の棚」を創りあげました。
講座内で行われた「街歩きフィールドワーク」の様子をビデオグラファー、岡安賢一氏による映像でお伝えし、講師を務めてくれた建築史家.志村直愛氏の詳細なスケッチ、写真家.大山顕氏による、すずらん街の防火建築帯の写真作品も合わせて展示。
また、山形ビエンナーレ2020会期中に発行された「藻が湖新聞」、参加作家のアートピースなどがバインドされた限定100部のコンプリートブックや、現代山形考のコアメンバーによるアーティストコレクティブ「現代風神雷神考」の作品、《Flying Museum 移動式修復センター》の展示もおこないました。
2021年11月に実施された本展示を3Dプレビューできます。