現代山形考〜藻が湖伝説〜


〇三   水の記憶

最終更新日:二〇二〇年九月一一日

最終更新日:2020年9月11日


水の地殻
草彅裕

かつて伝説の「藻が湖」があったとされる山形県の上空地図をGoogle Earthより検索し(註1)、その写真から特殊な技法を用い印画紙へ露光、現像した。

光から物質へ、様々な神話は天と地から始まり、そこには先ず光があった。現在の我々はまるで神の視点を得たかのように、手のひらの上から世界を自由に俯瞰できる。

暗室の闇の中、光、水、山形を混ぜ合わせ、写真を起源とした新たな「藻が湖」を創造する。

註1) (38゜25`53゛N 140゜21`49゛E) 64km


03-2-a 草彅裕《水の地殻》


草彅裕(Yu Kusanagi)

秋田県出身、東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科修了。主な受賞として、2019年「キヤノン SHINES」入選(梶川由紀選)、2010年「キヤノン 写真新世紀」佳作(蜷川実花選)、2007年「コニカミノルタ フォト・プレミオ」入賞、2005年「APA公募展」文部科学大臣奨励賞。主な個展として、2007年「arkhē~水と太陽~」コニカミノルタプラザ(東京)、2016年「SNOW」コニカミノルタプラザ(東京)、2018年「ACID WATER ─流転の水系─」キヤノンギャラリー(東京・大阪・愛知)、「水の粒子」Cyg art gallery(岩手)、2019年「流転の水系」仙北市立角館町平福記念美術館 (秋田)など。主なグループ展として、2014年「ネイチャー・イン・トーキョー」KYOTOGRAPHIE 国際写真フェスティバル 有斐斎弘道館(京都)、2018年「夜と美術」秋田県立美術館(秋田)、2019年「The Narrative of the Shore」CASE Space Revolution(タイ・バンコク)。写真集として、2016年『SNOW』(FOIL出版)がある。
web:https://yu-kusanagi.com/


作品データ


03-2-a 草彅裕《水の地殻》

2020/インクジェットプリント/200×160cm