現代山形考〜藻が湖伝説〜


〇六   山形のかたち

最終更新日:二〇二〇年九月一一日

最終更新日:2020年9月11日


山形のかたち

ここは山形県の西南部にある人口二万七千人のN市。市域の西半分を山地が占める小さな盆地宇宙だ。最上舟運によって商業都市として栄え、大商人の豊かな富に支えられた産業・文化の痕跡が今でも街のそこかしこに残る。

この地方の小さな街になぜか若い人たちが集まり、豊かに暮らし始めている。絵描きがいる、デザイナーがいる、文筆家がいる、いわゆるアーティストコレクティブとして多様な才能が集まり、技能を持ち寄り、地域の人々を巻き込みながら廃工場をリノベーションして集まる場所を作る、地ビールを作る、箒をもろこしの栽培から始める、手わざを受け継ぐ。「ないから作る」「なくなるから受け継ぐ」といった当たり前なこと、でもとても難しいことがここN市では実現している。次代に何を持って行き、何を置いていくべきなのか? その最先端の実践が東北の各地で始動している。



この章の作家


アメフラシ