新しい生活のための試作1
後藤拓朗
新しい生活について考察するための試作第1作として、藻が海伝説に由来する油彩画作品を制作する。
この絵は、遥か昔の山形県北村山地方に巨大な湖があったという藻が湖伝説に基づいた空想画である。藻が湖伝説のように、この現在が伝説となり、盆地が水で満たされた世界こそが現実となるかもしれない。そこでもまた日常的な暮らしがあるとして、厳密な科学考証に基づいたイメージを用意するわけではない。これは単に、現代の社会や世界の状況、そして僕自身の生活を比喩的に表現しようという試みである。
04-3-a1 後藤拓朗《新しい生活のための試作1》
04-3-a2 後藤拓朗《新しい生活のための試作1》 制作のためのメモ
04-3-a3 後藤拓朗《新しい生活のための試作1》 エスキース
04-3-a4 後藤拓朗《新しい生活のための試作1》 制作風景
後藤拓朗(Takuro Goto)
1982年山形県山形市生まれ。東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コースを卒業。マスメディアやインターネットを通じて得られる情報と、身体や生活風景との結びつきを探り、現代における郷土風景画のあり方についての考察を基にした油彩作品などを制作している。2013年より作業場を公開する形での展覧会を開始し、2016年から山形市のシェアアパート「ミサワクラス」での展覧会に参加。その後、山形ビエンナーレ「アートの市|芸術界隈」にて出会った美術家たちとともに、2017年より「山形藝術界隈展」を開始。参加メンバーの一人として活動。2017年「間─空─間(inter-space):日常と非日常の隣接」(KUGURU・山形/キュレーション 岡部信幸)、2017年「第20回岡本太郎現代美術賞」(川崎市岡本太郎美術館・神奈川)、2018年 山形ビエンナーレ2018 企画展「現代山形考」(東北芸術工科大学・山形)、2019年「reborn-art festival 2019 | 山形藝術界隈展一二」(旧柏屋・石巻市/キュレーション 有馬かおる)などの展覧会に参加。2020年「札幌国際芸術祭2020」参加アーティストに選出。2005年「第24回 損保ジャパン美術財団選抜奨励展」(東郷青児美術館・東京)損保ジャパン美術賞受賞。