現代山形考〜藻が湖伝説〜


〇四   藻が湖伝説

最終更新日:二〇二〇年九月一一日

最終更新日:2020年9月11日


藻が湖伝説と戊辰戦争
ハタユキコ

「大とかげ退治の大蛇松」が生えている長岡山は、戊辰戦争で戦場になりました。庄内藩と桑名藩の連合軍300名に対し、西郷隆盛、黒田清隆率いる薩摩藩を主力とする新政府軍2,500名が衝突したこの戦いは「長岡山の戦い」と言われます。数で劣る庄内・桑名兵は長岡山で防衛戦を行いますが、新政府軍の猛攻を受け、包囲網を突破して夜間行軍で肘折温泉に逃れました。戦後15名の桑名藩士の戦死体が野ざらしにされた山は現在では東北一の規模のツツジ園が整備され、幕末に練兵場として利用されていた広場は市営グラウンドとして市民の憩いの場となっています。

今回はこの長岡山の歴史と大蛇松の民話を組み合わせ、「安政の大地震」や社会不安が作成の契機となり、祈る人々を「松の木から[変身]した大蛇が救いに現れた」という点と、「羅漢の姿に[変身]した観音が救いに現れた」という点で共通する狩野一信が作成した「五百羅漢図」のフォーマットを元に制作しました。


大とかげ退治の大蛇松


04-7-a1  ハタユキコ《長岡山の乙女》(部分) ツツジ畑と骸骨

04-7-a2  ハタユキコ《長岡山の乙女》 エスキース

04-7-a3  ハタユキコ《長岡山の乙女》


ハタユキコ(Yukiko Hata)

1988年宮城県仙台市出身。山形市在住。2014年東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻修了。現代を生きる私達は、感染症のリスクがあると分かっていても尚、日々満員電車で運ばれて行くこのどうしようもない現実を、今自分が生きている時代の空気を描き遺したいと思い、笑えない様な世の中であるからこそおかしみを持たせて制作しています。主な個展に2019年ハタユキコ 夏の亡霊(SEIZAN GALLERY TOKYO 靖山画廊/東京)、2017年若手アーティスト支援プログラムVoyage「ハタユキコ展 夏の幻視」(塩竈市杉村惇美術館/宮城)他。主なグループ展に2019年REIMAGINED: CONTEMPORARY ARTISTS TAKE ON THE TALE OF GENJI (SEIZAN GALLERY NY/アメリカ)、2018年みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2018(東北芸術工科大学/山形)他多数。2017年第32回ホルベイン・スカラシップ奨学生、2017 年第11回西脇市サムホール大賞展 山下裕二賞。
web:https://hatahatayukiko.wixsite.com/human-complex/
Twitter:https://twitter.com/catkaitai/


作品データ


04-7-a  ハタユキコ《長岡山の乙女》

2020