メインビジュアル:岸本昌也
ファウスト
ゲッコーパレード
開演前のごあいさつ
本日はご来場頂き、誠に有り難うございます。
こんにちは。演劇集団のゲッコーパレードと申します。私たちは埼玉県の蕨市を拠点に演劇創作を行なっていますが、皆さまはどちらからこのサイトにアクセスされていますか? ここにたどり着くまでの間、芸術祭の賑やかさは感じられたでしょうか。今年の山形ビエンナーレには多くの美術作品のほか、トーク、読み物、音楽もあると伺っています。
私たちはというと、今回はみなさまのためにこのささやかな劇場をご用意いたしました。あなたがいらっしゃる場所が観客席です。演目は『ファウスト』。みなさま、準備はお済みでしょうか? 私たちはというと、演劇をお目にかけようとお待ちしていました。
『ファウスト』は、200年以上昔のドイツを生きたゲーテによって60年以上書かれた大長編です。戯曲自体も長大なら、物語は茫漠なまでに広大。あらゆる学問を経て知識を得た老人ファウストは、それでも満たされず、悪魔メフィストフェレスと一つの契約を交わします。それは魂と引き換えに現世の喜びや悲しみ全てを体験すること。若返ったファウストはマルガレーテという若い娘に恋をしたり、魔女たちの集会に参加したり、皇帝に仕え、ギリシャ伝説の世界に旅立ったり…とてもこの場では語りつくせないような大冒険をします。
ここではこの『ファウスト』を原作とし、それぞれ別々の要素を抜き出して形にした三つの演劇映像をご用意しています。それぞれ一見すると演劇の形をしていないかもしれませんが、ここが劇場で、あなたが観客であれば、きっと演劇的な体験になることと思います。三つの映像は芸術祭会期中に順次公開いたします。第一幕は9月5日、第二幕は9月11日からこのページで常時公開され、第三幕のみ9月18日より時間指定の配信になります。3つ合わせて一つの作品となりますが、ご覧になる順番はお好きなように。ご自分だけの体験を味わって帰っていただければと思います。
ゲッコーパレードはいま、一つの盆地にいます。みなさまは遠方からこのページにアクセスされているかもしれません(盆地の中にお住いの方もいらっしゃるかもしれません)。どなた様も歓迎いたします。どこにいても映像はあなたの元に届くはずですし、画面に映し出される場所がどこであれ、この劇場で目にし、耳にしたものは、あなただけのものなのです。事態の把握に躍起にならずに空想の赴くまま、ごゆっくりとお楽しみください。
ゲッコーパレード
戯曲『ファウスト』
ゲーテ(独 1749-1832)による戯曲。中世ドイツに実在したとされる錬金術師ファウストの伝説を下敷きに、ゲーテの生涯60年以上をかけて執筆された。それぞれ1808年と1832年に出版された第一部、第二部からなる。
〈第一部〉
年老いたファウスト博士は、己の全てを費やしてきた研究と知識に失望していた。彼の元へ悪魔メフィストフェレスが訪ねてくると、二人は契約を交わす。ファウストがこの世のあらゆる快楽を体験するため悪魔は彼に仕えるが、ファウストが生に満足した時、彼の魂は悪魔のものになる。ファウストは魔女の秘薬で若返り、町娘グレートヒェンと恋仲になり娘は子を身籠もるが、婚前交渉の罪の意識に苛まれる。ファウストが魔女たちの集会ワルプルギスの夜から帰ってくると、彼女は子殺しの罪を犯して投獄されており、そのまま死んでしまう。
〈第二部〉
恋人との離別の衝撃から回復したファウストは、メフィストフェレスの力を頼りに神聖ローマ皇帝の家臣として皇帝や彼自身の欲望のままに現実、非現実すら行き来しながらこの世の快楽と体験をむさぼってゆく。国のために紙幣を発行したかと思えば、ギリシア神話の美女ヘレネを異世界まで追いかけて妻とした。軍隊を指揮し、霊や魔女たちの集会に参加し、さらなる事業を成し遂げようと国土改造に手を染めていった。だが彼は一組の老夫婦を殺してしまったことを後悔し、挫折に沈み失明してしまう。悪魔に騙された彼は人生に満足したとするが、悪魔が彼の魂を手中に収めようとしたその時、ファウストの魂は天に召されてゆく。
演劇映像『ファウスト』
第一幕 夜
【2020年9月5日(土)より常時視聴可能】
「ファウストは絶望している。メフィストフェレスは犬のようだ。グレートヒェンはまだ何も知らない。」
ドイツ国内に伝わるファウスト伝説を元に、ゲーテはこの戯曲作品を書き上げました。戯曲と伝説の共通項は多いものの、悪魔メフィストフェレスを恋のキューピッドに、老年からの若返りを果たしたファウストと町娘マルガレーテ(愛称 グレートヒェン)との恋物語はゲーテの創作とされています。ここに登場する山形の街中を歩く3人の人物が誰なのかは一切不明です。しかし山形や、あなたの暮らす町にも、不満を抱えた人間、捉えどころのない悪魔的な誰かや、純真無垢な人物が暮らしていることでしょう。
第一幕の撮影は山形市内の山形駅や文翔館の周辺で行いました。(上演時間約13分)
原作:J.W.ゲーテ/構成・演出:黒田瑞仁/出演:崎田ゆかり、河原舞、永山香月/衣装:YUMIKA MORI/撮影・編集:飯名尚人/企画コンセプト:石原葉/協力:柏倉風馬、じゃらんじゃらん七日町・ナナビーンズ店、生タピオカドリンク専門店 珊瑚十五、ATERA、文翔館
演劇映像『ファウスト』
第二幕 窓
【2020年9月11日(金)〜2021年9月10日17:00まで】
「訪れたことのない場所の景色を懐かしがって、誰かが外を眺めている。」
戯曲第一部の冒頭でファウストは、世のすべての知識を手に入れたにもかかわらず自らの工房から外界に想いを馳せ、年老いた自分を呪います。その後、悪魔との契約を経て自由になった彼は、今度は自ら世界に乗り出していきます。そして第二部の終わりに彼は充実を感じながらも疲れ果て、自らの人生を思い起こしました。まさにその時のファウストを形作っているのは、彼がさまざまの世界で得た経験だったと言えます。世界が彼を作り、彼が世界を思い出しているのです。
第二幕の撮影は山形盆地とその近傍で行いました。(上演時間約55分)
原作:J.W.ゲーテ/翻訳:手塚富雄/構成・演出:黒田瑞仁/出演:崎田ゆかり、河原舞、永山香月/衣装:YUMIKA MORI/演奏:本間志穂/撮影・編集:飯名尚人/企画コンセプト:石原葉/挿入曲:C.Debussy Rêverie J.S.Bach Jesu, bleibet meine Freude / aus der Kantate BWV147/協力:石沢惠理、舩山明子、青野文昭、秋山さやか、浅野友理子、草彅裕、番場三雄、手打そば久左エ門、宝珠山立石寺、刈田嶺神社、最上川美術館・真下慶治記念館、羽黒・芸術の森 今井アートギャラリー、やまぎん県民ホール、生タピオカドリンク専門店珊瑚十五、株式会社モンテディオ山形、東北芸術工科大学
演劇映像『ファウスト』
第三幕 足
【2020年9月18日(金)より配信ページより以下の日程でライブ配信】
「明日地球が滅ぶのではなく、全てが永遠に終わらないとしたら。」
ゲッコーパレードは2019年に集団本拠地の旧加藤家住宅で『ファウスト』を上演しました。女性の俳優3人で行われたこの上演は、男性である主人公ファウスト不在の『ファウスト』であり、そこに登場した3人の女たちがこの第三幕にも現れます。一時は秘薬で人間以上の寿命を得たファウストも最後には天に召されますが、彼の相棒メフィストフェレスや、ワルプルギスの夜という祭りで出会った魔女や他の魔性の者たちはどうでしょう。それらに死の概念はあるのでしょうか。仮にファウストの運命を大昔に目撃した魔女たちが現代まで生きていたら。永遠の夏休みを謳歌しながら世界中を遍歴し、いまは日本の片隅で暇を持て余しているかもしれません。
第三幕の撮影は集団の拠点である埼玉県蕨市 旧加藤家住宅と、山形ビエンナーレ2020 現代山形考 藻が湖伝説の展示が密かになされている東北芸術工科大学で行いました。(上演時間約20分)
配信日時:2020年9月18日(金)〜27日(日)
9/18(金)20:00-20:30
9/19(土)14:00-14:30、20:00-20:30
9/20(日)14:00-14:30
9/21(月祝)14:00-16:00 ★
9/22(火祝)14:00-14:30
9/25(金)20:00-20:30
9/26(土)14:00-16:00 ★、20:00-20:30
9/27(日)14:00-14:30
※配信時間は30分程度を予定。時間外の視聴は不可
※★マークは全幕上映。90分程度を予定
原作:J.W.ゲーテ/構成・演出:黒田瑞仁/出演:崎田ゆかり、河原舞、永山香月/衣装:YUMIKA MORI/撮影・編集:飯名尚人/企画コンセプト:石原葉/協力:船山明子、「藻が湖伝説」出品作家の皆さま、やまぎん県民ホール、旧加藤家住宅、東北芸術工科大学
関連イベント:藻が湖大学:クロストーク
ゲスト:黒田瑞仁(ゲッコーパレード)+石原葉
聞き手: 三瀬夏之介×宮本晶朗
【2020年9月6日(日)18:00-20:00(アーカイブ配信中)】
場所や空間の読み解きを得意とする演劇集団ゲッコーパレードと、文翔館で展示をしたかったキュレーターチームによるトークキーワードは「場所」。作品を取り巻く環境が変われば作品も変わる。2022年再び文翔館を舞台にしたいのは、そこでしか見れない景色があるからです。ゲッコーパレードの過去のアプローチを紐解きながら、芸術祭における場所、コロナ禍における場所、オンラインという場所、様々な場所について考えます。
解題:なぜ山形で『ファウスト』なのか。
演劇集団ゲッコーパレードは、2020年のビエンナーレ参加に際して、「現代山形考~藻が湖伝説~」会場である文翔館を舞台にすることが決まっていました。それは2018年ビエンナーレ初参加の際に、点と点であった「芸術祭の行われる山形という土地」「会場である東北芸術工科大学」「展覧会『山のような100ものがたり』」といった要素を、彼らが得意とする場所の読み解きと、戯曲を重ね合わせることで、『リンドバークたちの飛行』という星座を示した、その手腕を買われてのことです。
そこで2020年において彼らは、「芸術祭の行われる山形という土地」「会場である文翔館」「展覧会『現代山形考~藻が湖伝説~』」に、200年前にドイツの文豪ゲーテが書き上げた、戯曲『ファウスト』を重ね合わせることを選びました。一見、私たちから国も時代も遠く離れた『ファウスト』が、山形の文翔館で演じられるのは奇妙なことに感じられます。それでも、悪魔メフィストフェレスと契約したファウストが時空を超えて様々な世界を訪れ、その土地土地の優れた情景描写が多く登場するこの物語は、展覧会において文翔館に今も残る時代を感じさせる華美な空間や、配置される様々な作品群を、あったかもしれない「藻が湖」のある風景として見せうるとし、文翔館全体を使っての『ファウスト』上演を計画していたそうです。
しかし、コロナ禍を受けて状況は一変します。会場は変更され、観客を入れての上演は叶わず、発表の場はオンラインへと移行しました。会場である文翔館という要素が抜け落ちただけでなく、芸術祭の行われる山形の土地も、展覧会会場もオンラインになることで演劇作品において可視化することが困難になってしまいました。
そのため、山形在住で絵画における演劇性を研究し、2018年ビエンナーレの際に彼らの『リンドバークたちの飛行』を企画した私が、コンセプト担当として彼らの作品作りに関わることになりました。
絵画における演劇性というと難しく感じられますが、簡単に言えば絵画と鑑賞者の関係のことです。例えば、絵画に描かれたシチュエーションにまるで自分も同席しているみたいだ、と感じられる作品は演劇性があるといえます。展覧会というのは、鑑賞者が作品を見る場所なので、展覧会の伝えたいことに合わせて作品の配置を考え、作品と共に配置する文章の検討が行われます。それは作品に多かれ少なかれ演劇性を付け加えることだと言っても良いでしょう。今回オンラインになってしまった「現代山形考~藻が湖伝説~」において、文翔館という場所と出品される作品群、テキスト、導線を使って、どんな風に作品と観客の関係を結ぼうとしていて、現状見えづらくなってしまったのか。そのような状況下においてゲッコーパレードが何を担えるのかを考えました。
このページに至るまでに、様々な章が並び、それが必ずしも「藻が湖伝説」だけを取り上げたものでないことは、皆さんお気づきでしょう。西根と東根を東西の先端とし、あったとされる大きな湖。今は然程交流があるわけではないその2つの場所は、藻が湖があったとされる時代、船で行き来していたという言い伝えがあります。今あるものを一度水に沈めてしまうこと、によって、離れたもの同士の思いがけない共通点が浮かび上がる。そのメタファーとして「藻が湖伝説」はあり、文翔館での展示において沈められるのは「近代化」でした。
「文翔館」は初代県令三島通庸によって建てられます。三島は土木県令という二つ名を持つことでも分かるように、山形と首都東京を結ぶべく土木工事に力をいれた人物です。それまで北前船と最上川舟運といった流通経路と共に発展してきた村々は、東京に向けた物流によって徐々に衰えていきました。また東京や都市への志向は、村々の信仰の失わせていくものにもなりました。その村で一生を過ごすからこそ、その共同体の紐帯として信仰は守られ、人々の支えになっていたわけですが、忘れ去られる存在になってしまいました。変化せざる得なかったインフラや失われつつある信仰は、「近代化」を一度湖の底に沈めることで、船で行き来できる場所になります。「直す」というキーワードも本展では散見されますが、失われつつあるものをモチーフとして手法として蘇らせる作品群は、「直す」の一つの解答として浮かび上がることにもなるでしょう。
このように鑑賞者たちが一見共通点のない章を船で行き来する中で、「失われつつある文化や信仰」や「ありえたかもしれない世界」に思いを馳せる。そう本展を捉えた時に、私が可視化させたいと思ったものは乗り手である「コロナ禍における今の私たち」です。同時代の作り手と鑑賞者が出会う展覧会において、コロナ禍によって生活様式を変えざる得なくなっている私たちを無視することは出来ません。
確かに、一つの方法として「あの時、あれがなければ」と、その“もしも“を考えること、それは私たちが利便性や効率と引き換えに何を失ったのかを考えさせてくれます。一方で「あの時、あれがなければ」は、何十年後の未来から見た今の社会への見方かもしれません。しかし、果たして私たちの今の生活は「コロナ禍じゃなかったらもっと○○できるのに」という消極的な態度の上だけに成り立っているのでしょうか。なにか生活を大きく変える事態に立ち会っている現状から考えると、近代化を促進していった人々にしろ、藻が湖から水を抜いた人たちにしろ、信仰とは別の繋がりを求めた人たちにしろ、彼らは何かを失わせようとしたのではなく、何かを得るために選択をしたにすぎず、私たちが今当たり前に享受している日常は、彼らがより良い未来のために選択をした積み重ねの上にあったことに気づかされます。
そこでゲッコーパレードには、今の私たちを担ってもらうことにしました。それは、これまで様々な選択をしてきた人々の積み重ねの上に生きる今の私たちです。先述では『ファウスト』は、あったかもしれない「藻が湖」の風景を見せる戯曲として取り上げましたが、このコンセプトにおいては、メフィストフェレスによって若返りこの世の全ての喜びと悲しみをもう一度体験するために選択をし、行動をし続けるファウストを重ね合わせるために取り上げることにしました。彼の選択は、時に不幸を呼び起こし、時に傲慢です。しかし最後メフィストフェレスの奴隷になるのではなく神に召されるように、現状に心を動かし選択することは、未来からみれば回り道であっても、その時には期待をこめた最善なのです。
ファウストだけでなく私たち誰もが行っている営みを思い起こさせること、それは演劇であれば表現することができると私は考えています。俳優の身体、戯曲のセリフ、舞台が織物のように交互に観客に働きかける演劇であれば、インターネット上の展覧会というとても抽象的な空間に、私たちの今、悩みながらも選択をし続ける人々の姿を立ち上げることができる。本作『ファウスト』は1本の動画ではなく、第一幕から第三幕の3本にわかれ、それぞれが独立しています。しかし、そのそれぞれに私たちの日常が描かれていることに気づくでしょう。第一幕は選択の予感であり、第二幕は度重なる選択のさまが営みとなり、その繰り返しが山形という風景を作り出していることを想像させます。そして第三幕は、舞台を誰も入ることの出来ない「現代山形考~藻が湖伝説~」の会場にすることで、必ずしも人々に知られることがなかったとしても、確実にそこに意志と選択があることを表しています。
演劇は作り手と観客が同時代に生き、劇場という空間において出会うことで成立します。展覧会もまたキュレーターと鑑賞者が同時代に生きるからこそ作品を介して成立するものです。両者の構造がとても似た構造であるからこそ、地方におけるアートの芸術祭において、演劇は一つの役割を担うことが出来る。展覧会が私たちの日常に一つ石を投げ、波紋を広がらせるのなら、その波紋を別の模様に見せることが出来るのは、観賞の場における同時代性によって作品を作る演劇だからです。まずはこの作品を見る前に、見た後に、この展覧会も共に観賞してみてください。このwebサイトに掲載されている全ての作品、テキスト、デザインは、今の私たちと同じ状況下の中、最善を選択しようという意志によって貫かれています。
企画・コンセプト 石原葉
ゲッコーパレード(geckoparade)
演劇集団。2015年結成。埼玉県蕨市旧加藤家住宅を本拠地に活動。演劇に限らず様々なジャンルを専門とするメンバーによるコレクティブとして、国内外各地で公演を行う。名前の由来は「目的ではなく人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」という信条から。ゲッコーはヤモリの英名。劇場に公演場所を絞らず、民家・文化財・ホテル・廃墟や各芸術祭などで空間性を活かした作品を発表。2016年に旧加藤家住宅で初演された移動型演劇『リンドバークたちの飛行』は異ジャンルのアーティスト6名による演出が注目を集め、島薗邸(2017)、旧里見弴邸(2018)、山形ビエンナーレ(2018)、早稲田大学演劇博物館(2018)、宮城野納豆製造所(2019)での公演のほか、2020年にはタイにて現地アーティストとのリメイクを行った。2019年に『ファウスト』を題材とした連続プロジェクトの第1作目を上演。2020年よりコロナ禍における〈集まらない演劇〉第1作として郵送形式で作品を発表した。
web:https://geckoparade.com/
Twitter:https://twitter.com/geckoparade
黒田瑞仁(Mizuhito Kuroda)
演出家。1988年東京都生まれ。埼玉県在住。早稲田大学大学院建築学専攻修了。2015年の結成時よりゲッコーパレードに参加し、全公演の演出を担当。早稲田大学演劇博物館「現代日本演劇のダイナミズム展」(2018)では現代演劇シーンでの「演出力」ある集団としてゲッコーパレードが紹介された。外部での演出作品にこまばアゴラ劇場『煙草の害について』(2017)、霧島国際音楽ホール『もうひとりのモーツァルトからの招待状』(2019)など。東京造形大学(2018)、東北芸術工科大学(2018)、チュラロンコーン大学(2019)にて特別講師。
崎田ゆかり(Yukari Sakida)
俳優。1988年金沢生まれ。神奈川県在住。同志社女子大学学芸学部国際教養学科卒業。2015年ゲッコーパレードを旗揚げ、以降ほぼ全ての作品に出演している。自身の代表作にバーでの一人芝居、崎田ゆかりの夜物語『アラビアン・ナイト』がある。主な外部出演作として、烏丸ストロークロック 柳沼昭徳作・演出『国道、業火、背高泡立草』『新・内山』、M.M.S.T SUMMER ART PROGRAM 2014 金世一演出『秋雨』、第七劇場 鳴海康平構成・演出『班女』などがある。
河原舞(Mai Kawahara)
俳優。1988年大阪府生まれ。埼玉県在住。京都造形芸術大学芸術学部舞台芸術学科卒。2015年にゲッコーパレードを立ち上げる。2016年の戯曲の棲む家シリーズ以降、ほぼ全ての作品に出演。ゲッコーパレードの代表作『リンドバークたちの飛行』では主演を務める。外部出演作として、第11回AAF戯曲賞受賞作『虫』、思考動物プロデュース『私とひかりと父と母』、演劇ユニットG.com『ロボットとわたし』など。
永山香月(Kazuki Nagayama)
俳優。1993年愛媛県生まれ。東京都在住。四国学院大学社会学部身体表現と舞台芸術マネジメントメジャー卒業。主な出演作にPARCO STAGE『転校生』(2015)、Amazonプライム・ビデオ『東京女子図鑑』(2016)、映画『亜人』(2017)、映画『曇天に笑う』(2018)、三条会『ひかりごけ』(2018)等。ゲッコーパレードへの参加は『ガラスの動物園』(2018)、『ファウスト』(2019)に続いて今回が三作目となる。2020年これからにドキドキしている。
YUMIKA MORI
服飾家。1990年三重県生まれ。埼玉県在住。明治大学文学部演劇学専攻、文化服装学院服装科、coconogacco修了。和裁と編み物をする祖母の影響で子供の頃より服作りを始める。明治大学のシェイクスピアプロジェクトの衣装を担当したことをきっかけに、舞台衣装を手がけるようになる。主な劇団として、ゲッコーパレード、東京夜光のほぼ全ての衣装を担当。中高生に向けた舞台衣装制作ワークショップ(2019)など。
飯名尚人(Naoto Iina)
映像作家・演出家・プロデューサー。1974年、神奈川県生まれ。川越在住。明治学院大学文学部芸術学部卒業。2003年にDANCE AND MEDIA JAPANを設立。国際ダンス映画祭ではプロデューサー、キュレーターを務める。2013年より川口隆夫ソロパフォーマンス「大野一雄について」にドラマトゥルク、映像、サウンドにて参加。2018年より青山実験工房(清水寛二)に映像セノグラファーとして「影能・鵺」「パレ・ド・マリ」に参加。「言葉・映像・身体」の融合的作品を制作している。
石原葉(Yo Ishihara)
美術家。1988年宮城県生まれ、東京都出身。山形県在住。2020年東北芸術工科大学大学院芸術工学専攻博士課程修了。「あなたたち」と「わたしたち」「あなた」と「わたし」の間に引かれる目に見えない境界、無自覚なフィルターをテーマとして絵画制作を行っている。直近の活動として、2020年靖山画廊にて5月にオンライン、8月に同画廊にて個展「Who」を開催。ほか展覧会多数。また一方で集団による制作、活動も継続的に行っている。三瀬夏之介・鴻崎正武による「東北画は可能か?」に参加。共同制作他、展覧会キュレーション、アーカイブブック制作などで中心的な役割を担う。2018年からは大野菜々子、柏倉風馬、中村ゆりとものづくりユニット「NOPS」を立ち上げ、ZINEを中心に発表。
web:https://yoishr6379.wixsite.com/leaf